EVの戦いでトヨタは新技術と古い技術に賭ける

豊田市、９月１９日（ロイター） - 日本の工業の中心地にある工場で、トヨタ自動車(7203.T)は、生産性を補うために、自走式組立ライン、大規模なダイカスト、さらには昔ながらの手作業研磨に切り替えた。バッテリー電気自動車の地位を失った。

世界トップの販売台数を誇る自動車メーカーは、製造業から余分なコストを含む非効率性を取り除くために数十年にわたって使用してきた有名なリーン生産方式と新技術を組み合わせることで、テスラ(TSLA.O)などとの差を縮めることができると信じている。

同社は先週中部日本で開催された工場見学で、その最新の進歩を垣間見せたが、その一部は初めてだった。 塗装をせずに高光沢バンパーを作る技術など、節約の工夫例も披露した。 金型は手作業で鏡面仕上げされており、バンパーに光沢を与えます。

他の地域では、部品の加工に使用されていた30年前の設備が、ロボティクスと3Dモデリングによる自動化により夜間や週末でも稼働できるようになり、改善により設備の生産性が3倍になったとトヨタは述べた。

「トヨタのものづくりの強みは、時代の変化に対応できることだ」と最高製品責任者の新郷和明氏は視察先の記者団に語った。

同氏は、トヨタ生産システムの略称である「TPS」に根付いたエンジニアリングとテクノロジーの専門知識を指摘した。

トヨタは、無駄のない生産、ジャストインタイム納品、「かんばん」ワークフロー組織のシステムにより、現代の製造業に革命をもたらしました。 それ以来、その手法は病院からソフトウェア会社に至るまであらゆる場所で採用され、世界中のビジネス スクールや役員室で広く研究されています。

継続的な改善とコスト削減への絶え間ない注力は、戦後の新興企業から世界的巨人へのトヨタの躍進を促進するのに役立ちました。 しかし、バッテリーEVでは、独自の効率を利用して市場をリードする収益性を構築してきた別のたゆまぬイノベーターであるテスラに追い抜かれています。

佐藤幸治新CEOの下、トヨタは6月にバッテリーEVを増強する野心的な計画を発表したが、これは業界をリードするハイブリッド車プリウスのメーカーが完全電気技術の導入が遅れているとの長年の批判を受けての大きな転換である。

ゴールドマン・サックスは6月、日本の自動車メーカーが2022年の世界のEV市場に占める割合はわずか約0.3％にとどまり、より強力な製品がラインナップに「欠けている部分」だと述べた。

[1/5]中部日本の豊田市にあるトヨタ自動車元町工場での新しい組立ライン技術のデモンストレーション中に工場のフロアを移動する自走式電気自動車。2023年9月13日。トヨタ自動車株式会社/ロイター経由の配布資料 ライセンス権を取得

EVへの移行による課題に取り組んでいる自動車会社は同社だけではない。 デトロイトのビッグ３自動車メーカーは、先週前例のない同時ストライキにつながった全米自動車労働組合からの賃金要求にテスラが反発する中、テスラからの競争圧力を挙げている。

トヨタが強調しているイノベーションの1つは自走式生産ラインで、EVはセンサーによって組み立てライン内を誘導される。 この技術により、自動車の組み立てプロセスで大きな費用となるコンベヤ装置の必要性がなくなり、生産ラインの柔軟性が向上します。

デモンストレーションでは、屋根のないEVが少しずつ進み、部品を差し込むことができた。ファナック(6954.T)のロボットアームが車のシートをEVの荷台に降ろした。 近くでは、自動運転フォークリフトがコンテナからさらに多くの座席を奪い取りました。

トヨタはまた、テスラが開発した「ギガキャスティング」として知られるダイカスト技術のプロトタイプを披露した。この技術は、これまで自動車製造で使用されていたものよりもはるかに大きなアルミニウム部品を製造するものである。

テスラと同様に、トヨタもモジュール式セクションでEVを生産し、部品を削減すると述べている。 しかし、それはそれ自体の革新性も示しています。 長年ダイカストに取り組んできた同社は、ギガキャスティングにおいて定期的に必要となる、迅速な交換が可能な金型を開発しました。

トヨタによれば、これにより金型の交換時間が通常24時間かかるところ、20分に短縮されるという。 生産性が 20% 向上すると推定されています。